統計検定
2016年01月10日
データサイエンスが話題になっている昨今、統計検定が徐々に人気を集めています。
当ブログでも、過去2回にわたって統計検定を扱いました。
統計検定2級&統計調査士を受験しました
文系人間がゼロから統計検定2級を取るための最短ルート
おかげさまで、統計検定2級のレビュー記事にはそれなりにアクセス数をいただいてます。
その後、新たに統計検定準1級、専門統計調査士を受験し、合格しました。
統計検定に関しては公式のテキストも発売されているのですが、
統計調査士・専門統計調査士には公式のテキストが存在しません。
かろうじて、以下の過去問・解説集が発売されているのみです。
「基礎知識をどこから仕入れればいいのか?」に、多くの方が混乱されてることと思います。
そこで、今回のブログでは、統計調査士・専門統計調査士の対策・勉強に必要となる
「問題演習の前にやるべきこと」をご紹介していきます。
1)はじめに
統計調査士・専門統計調査士の資格を持っていても、できることは特にありません。
統計検定が、主にデータ分析をする数学的能力を見ているのに対して、
統計調査士の場合は、統計データを集めるために調査を企画する能力を見ています。
似たような(ほぼ上位互換の)資格に、社会調査士・専門社会調査士があります。
(専門)社会調査士の資格の場合は、大学で専門課程を終了していなければなりませんが、
(専門)統計調査士の場合はテスト一本で資格取得できるため、強いて言えばお手軽さがpointです。
「社会調査ってなんぞや?」という方は、手始めに以下の本から入ってみましょう。
いわゆる「データサイエンティスト」を目指すための資格ではありませんが、
「統計データにだまされない!」という能力を測るには、統計検定より向いていると思います。
2)出題範囲
統計調査士・専門統計調査士で主に必要なのは、以下の3つの能力です。
a)社会調査に関する知識
b)ある程度の基礎的な統計の知識
c)グラフを読み取る能力
a)社会調査に関する知識では、統計法や調査手法が問われます。
統計調査士では、統計法に関する知識・調査員としての注意点が、
専門統計調査士では、それに加えて社会調査の手法についての知識が問われます。
統計調査士・専門統計調査士ともに、出題のメインとなる部分です。
b)ある程度の基礎的な統計の知識は、「統計」と名がつく以上、避けて通れません。
統計調査士では統計検定3級、専門統計調査士では2級程度の知識があれば余裕です。
3級に必要なのは中学数学(+α)、2級に必要なのは文系の高校数学くらいでしょうか。
実際に細かい計算をする能力は、統計検定ほどは重視されません。
c)グラフを読み取る能力で求められるのは、専門知識よりも思考力です。
大学センター試験の社会科、「現代社会」「地理」あたりに近いかもしれません。
良く言えば教科書を暗記する必要がない、悪く言えば対策の難しいポイントです。
専門統計調査士では、専門的な公的統計・経済統計の知識が一部必要になります。
3)参考書
a)社会調査に関する知識
統計調査士については、立教大学社会情報教育研究センターが、
サイト上で対策コンテンツを公開していますので、ぜひぜひ活用しましょう。
特に『試験対策コンテンツ』というpdfは必読です。コレさえあれば十分、当ブログは用無しです。
専門統計調査士を受験される方も、ぜひ目を通しておくべきでしょう。
専門統計調査士の対策に必要な、調査手法についての知識は、
「社会調査法」と名のつくテキストを勉強すればほぼカバーできます。
私が使用したのは『入門・社会調査法』というテキストです。
社会調査の役割や種類から、データ収集の方法に至るまで、1冊で広くカバーしています。
特に、近年増加している(そして試験に出題される)インターネット調査やRDD法などにも触れられています。
社会調査の教科書としては、盛山和夫先生のものが最も広く読まれています。
上記の『入門・社会調査法』と、こちらの『社会調査法入門』は、どちらを使ってもOKだと思います。
その他、最近発売された『社会調査の考え方』という本も。
目次を見る限り、どちらかと言えば社会学の研究者・大学院生向けの本で、
専門社会調査士の受験層とは、やや少しズレているかもしれません。
上記2冊を読んだ、大学(院)の卒論で社会調査を使う、などの方々が、
プラスαのもう1冊として読む際にオススメです。
b)ある程度の基礎的な統計の知識
統計調査士のためには、『マンガでわかる統計学』などで、
相関とか分散とかの概念について、なんとな~く把握しておくだけでも十分だと思います。
専門統計調査士には、回帰分析やカイ二乗分析など、
統計検定2級に相当する統計手法の問題が何問か出題されます。
以下の2冊は、以前の記事で統計検定2級の勉強のスタートとして薦めたものです。
『よくわかる心理統計』は、知識を得る・概念を理解するための読み物として、
『ごく初歩の~』は、実際に手を動かして手法を身につけるための練習帳として有効です。
この2冊では、一部の手法(特に回帰分析など)について弱いため、
統計検定2級の公式テキストなどで不足分を補ってもいいかもです。
2級公式テキストの内容を理解していなくても、専門統計調査士は合格できると思います。
とはいえ、この内容を理解していると他の受験生に差を付けられるのも事実です。
c)グラフを読み取る能力
統計調査士では、「公的統計の見方と利用」が出題項目の多くを占めています。
受験した際には「難しかった」「時間が足りない」という悲鳴が会場から聞かれましたが、
一方で、周囲といちばん差をつけやすい試験範囲だとも感じました。
とはいえ、これらの問題を解くにあたって、専門的な知識は必要ありません。
問われるのはグラフから適切な情報を読み取る思考力です。
グラフを読みとる際には、グラフの大きく変化している点、他より極端に高い・低い点に着目します。
そして、「なぜ、この年で急激に数字が変化したか?」「なぜ、この地域で数字が高いのかのか?」 など、
グラフの特徴の背景にある理由を考えることがポイントです。
「人口ピラミッドを見ると、ひのえうまの年(1966年)だけ凹んでいる!」とかが一例です。
では、具体的にはどうやってグラフを読み取る思考力を身につけるのか?
正直なところ、「練習あるのみ」だと思っています。
過去問を解きながら解説を読み、分からないところを調べるうちに身につくはずです。たぶん。
特に専門統計調査士の場合は、公的統計・経済統計の用語を参考書でカバーしにくいので、
過去問演習で出会ったたびに解説やgoogle検索でフォローしていくことをオススメします。
統計調査士の場合、グラフの読み取りが占める割合が特に高いため、
社会実情データ図鑑さんを眺めたりして、グラフの感覚を掴んでいると役に立つかもしれません。
あるいは、同サイト著者さんの書かれた、以下の本なんかもグラフを見る練習になると思います。
余談ですが、(専門)統計調査士では、国際比較についてはほとんど(全く?)出題されない気がします。
4)まとめ
統計調査士、専門統計調査士のそれぞれに分けて、
対策のために勉強すべき参考書を整理してみました。
【統計調査士】
a)社会調査に関する知識
…立教大学さんのpdf資料を熟読する
b)ある程度の基礎的な統計の知識
…『マンガでわかる統計学』などで、統計の概念を何となくつかむ
c)グラフを読み取る能力
…過去問を解いて、解説を熟読。余裕があれば各種データを眺めてみる。
【専門統計調査士】
a)社会調査に関する知識
…『入門・社会調査法』『社会調査法入門』などに目を通す
b)ある程度の基礎的な統計の知識
…『よくわかる心理統計』などで、統計検定2級程度の知識を身に付ける
c)グラフを読み取る能力
…過去問を解いて、解説を熟読する。特に分からない用語を調べる癖をつける
「a~cのどこから勉強すればいいか?」の優先順位ですが、どこから始めてもOKです。
はじめに (b)基礎的な統計の知識について軽く学習した後に、
メインとなる(a)社会調査に関する知識をじっくり勉強し、
余裕があったら、過去問演習と並行して、(c)グラフの読み取りの勉強をすればいいのではと思います。
いずれの資格に関しても、参考書での勉強はそこそこに、
過去問演習を積んでいくことが合格のためには重要だと思います。
ぜひ、教科書を読むだけにとどまらず、実際に問題を解いてみてください。
ここで紹介した参考書などは、必ずしも試験範囲の全てを網羅してはいません。
当ブログを参考にしても「成績優秀で合格する」のは困難かもしれません。
しかし、 「どこから勉強すればいいか分からない」という方には、
ひとつの目安として使って頂けるのではないかと思っています。
今後、(専門)統計調査士の受験生が増え、知名度が上がっていくことで、
何かしらメリットのある資格へなっていくことに期待です。はい。
当ブログでも、過去2回にわたって統計検定を扱いました。
統計検定2級&統計調査士を受験しました
文系人間がゼロから統計検定2級を取るための最短ルート
おかげさまで、統計検定2級のレビュー記事にはそれなりにアクセス数をいただいてます。
その後、新たに統計検定準1級、専門統計調査士を受験し、合格しました。
統計検定に関しては公式のテキストも発売されているのですが、
統計調査士・専門統計調査士には公式のテキストが存在しません。
かろうじて、以下の過去問・解説集が発売されているのみです。
「基礎知識をどこから仕入れればいいのか?」に、多くの方が混乱されてることと思います。
そこで、今回のブログでは、統計調査士・専門統計調査士の対策・勉強に必要となる
「問題演習の前にやるべきこと」をご紹介していきます。
1)はじめに
統計調査士・専門統計調査士の資格を持っていても、できることは特にありません。
統計検定が、主にデータ分析をする数学的能力を見ているのに対して、
統計調査士の場合は、統計データを集めるために調査を企画する能力を見ています。
似たような(ほぼ上位互換の)資格に、社会調査士・専門社会調査士があります。
(専門)社会調査士の資格の場合は、大学で専門課程を終了していなければなりませんが、
(専門)統計調査士の場合はテスト一本で資格取得できるため、強いて言えばお手軽さがpointです。
「社会調査ってなんぞや?」という方は、手始めに以下の本から入ってみましょう。
いわゆる「データサイエンティスト」を目指すための資格ではありませんが、
「統計データにだまされない!」という能力を測るには、統計検定より向いていると思います。
2)出題範囲
統計調査士・専門統計調査士で主に必要なのは、以下の3つの能力です。
a)社会調査に関する知識
b)ある程度の基礎的な統計の知識
c)グラフを読み取る能力
a)社会調査に関する知識では、統計法や調査手法が問われます。
統計調査士では、統計法に関する知識・調査員としての注意点が、
専門統計調査士では、それに加えて社会調査の手法についての知識が問われます。
統計調査士・専門統計調査士ともに、出題のメインとなる部分です。
b)ある程度の基礎的な統計の知識は、「統計」と名がつく以上、避けて通れません。
統計調査士では統計検定3級、専門統計調査士では2級程度の知識があれば余裕です。
3級に必要なのは中学数学(+α)、2級に必要なのは文系の高校数学くらいでしょうか。
実際に細かい計算をする能力は、統計検定ほどは重視されません。
c)グラフを読み取る能力で求められるのは、専門知識よりも思考力です。
大学センター試験の社会科、「現代社会」「地理」あたりに近いかもしれません。
良く言えば教科書を暗記する必要がない、悪く言えば対策の難しいポイントです。
専門統計調査士では、専門的な公的統計・経済統計の知識が一部必要になります。
3)参考書
a)社会調査に関する知識
統計調査士については、立教大学社会情報教育研究センターが、
サイト上で対策コンテンツを公開していますので、ぜひぜひ活用しましょう。
特に『試験対策コンテンツ』というpdfは必読です。コレさえあれば十分、当ブログは用無しです。
専門統計調査士を受験される方も、ぜひ目を通しておくべきでしょう。
専門統計調査士の対策に必要な、調査手法についての知識は、
「社会調査法」と名のつくテキストを勉強すればほぼカバーできます。
私が使用したのは『入門・社会調査法』というテキストです。
社会調査の役割や種類から、データ収集の方法に至るまで、1冊で広くカバーしています。
特に、近年増加している(そして試験に出題される)インターネット調査やRDD法などにも触れられています。
社会調査の教科書としては、盛山和夫先生のものが最も広く読まれています。
上記の『入門・社会調査法』と、こちらの『社会調査法入門』は、どちらを使ってもOKだと思います。
その他、最近発売された『社会調査の考え方』という本も。
目次を見る限り、どちらかと言えば社会学の研究者・大学院生向けの本で、
専門社会調査士の受験層とは、やや少しズレているかもしれません。
上記2冊を読んだ、大学(院)の卒論で社会調査を使う、などの方々が、
プラスαのもう1冊として読む際にオススメです。
b)ある程度の基礎的な統計の知識
統計調査士のためには、『マンガでわかる統計学』などで、
相関とか分散とかの概念について、なんとな~く把握しておくだけでも十分だと思います。
専門統計調査士には、回帰分析やカイ二乗分析など、
統計検定2級に相当する統計手法の問題が何問か出題されます。
以下の2冊は、以前の記事で統計検定2級の勉強のスタートとして薦めたものです。
『よくわかる心理統計』は、知識を得る・概念を理解するための読み物として、
『ごく初歩の~』は、実際に手を動かして手法を身につけるための練習帳として有効です。
この2冊では、一部の手法(特に回帰分析など)について弱いため、
統計検定2級の公式テキストなどで不足分を補ってもいいかもです。
2級公式テキストの内容を理解していなくても、専門統計調査士は合格できると思います。
とはいえ、この内容を理解していると他の受験生に差を付けられるのも事実です。
c)グラフを読み取る能力
統計調査士では、「公的統計の見方と利用」が出題項目の多くを占めています。
受験した際には「難しかった」「時間が足りない」という悲鳴が会場から聞かれましたが、
一方で、周囲といちばん差をつけやすい試験範囲だとも感じました。
とはいえ、これらの問題を解くにあたって、専門的な知識は必要ありません。
問われるのはグラフから適切な情報を読み取る思考力です。
グラフを読みとる際には、グラフの大きく変化している点、他より極端に高い・低い点に着目します。
そして、「なぜ、この年で急激に数字が変化したか?」「なぜ、この地域で数字が高いのかのか?」 など、
グラフの特徴の背景にある理由を考えることがポイントです。
「人口ピラミッドを見ると、ひのえうまの年(1966年)だけ凹んでいる!」とかが一例です。
では、具体的にはどうやってグラフを読み取る思考力を身につけるのか?
正直なところ、「練習あるのみ」だと思っています。
過去問を解きながら解説を読み、分からないところを調べるうちに身につくはずです。たぶん。
特に専門統計調査士の場合は、公的統計・経済統計の用語を参考書でカバーしにくいので、
過去問演習で出会ったたびに解説やgoogle検索でフォローしていくことをオススメします。
統計調査士の場合、グラフの読み取りが占める割合が特に高いため、
社会実情データ図鑑さんを眺めたりして、グラフの感覚を掴んでいると役に立つかもしれません。
あるいは、同サイト著者さんの書かれた、以下の本なんかもグラフを見る練習になると思います。
余談ですが、(専門)統計調査士では、国際比較についてはほとんど(全く?)出題されない気がします。
4)まとめ
統計調査士、専門統計調査士のそれぞれに分けて、
対策のために勉強すべき参考書を整理してみました。
【統計調査士】
a)社会調査に関する知識
…立教大学さんのpdf資料を熟読する
b)ある程度の基礎的な統計の知識
…『マンガでわかる統計学』などで、統計の概念を何となくつかむ
c)グラフを読み取る能力
…過去問を解いて、解説を熟読。余裕があれば各種データを眺めてみる。
【専門統計調査士】
a)社会調査に関する知識
…『入門・社会調査法』『社会調査法入門』などに目を通す
b)ある程度の基礎的な統計の知識
…『よくわかる心理統計』などで、統計検定2級程度の知識を身に付ける
c)グラフを読み取る能力
…過去問を解いて、解説を熟読する。特に分からない用語を調べる癖をつける
「a~cのどこから勉強すればいいか?」の優先順位ですが、どこから始めてもOKです。
はじめに (b)基礎的な統計の知識について軽く学習した後に、
メインとなる(a)社会調査に関する知識をじっくり勉強し、
余裕があったら、過去問演習と並行して、(c)グラフの読み取りの勉強をすればいいのではと思います。
いずれの資格に関しても、参考書での勉強はそこそこに、
過去問演習を積んでいくことが合格のためには重要だと思います。
ぜひ、教科書を読むだけにとどまらず、実際に問題を解いてみてください。
ここで紹介した参考書などは、必ずしも試験範囲の全てを網羅してはいません。
当ブログを参考にしても「成績優秀で合格する」のは困難かもしれません。
しかし、 「どこから勉強すればいいか分からない」という方には、
ひとつの目安として使って頂けるのではないかと思っています。
今後、(専門)統計調査士の受験生が増え、知名度が上がっていくことで、
何かしらメリットのある資格へなっていくことに期待です。はい。
futaba1214 at 00:41│コメント(0)
2014年03月28日
もはや更新が月イチ以下になってる当ブログですが、
どうやら統計検定の受験記にアクセス数が集中してるようです。
(記事:統計検定2級&統計調査士を受験しました)
他の記事へのアクセスなんて、ほぼゼロなのは秘密です。
そんな私ですが、統計の勉強を始めたのは1年半前です。
大学の専攻は心理学。いわゆる「文系」の人間でした。
専門課程で必要に駆られて勉強を始めてから、
だいたい1年で統計検定2級のラインまで到達しています。
2級を取れば、MARCHレベルの大学でも優秀な方に入るはずです。
「大学で統計を勉強した!」と、とりあえずドヤ顔できるくらいだと思います。
あと、どうやらブログのアクセス数的に、ネットの世界でもドヤ顔できるらしいです。
今回は、「文系だけど・・・」「統計って?」というレベルからスタートして、
「簡単な統計処理ができる」「統計検定2級が取れる」レベルに到達するまでの、
ふたばあおい流の最短ルートを紹介したいと思います。
ネットスラングで言う「ぼくのかんがえたさいきょうの○○」ですね。
次回の統計検定が6/22に開催されますが、
以下のとおりに勉強すれば、今からでも2ヶ月半で2級に間にあうかもしれません(適当)。
主な読者層は「これから統計に触る、文系(心理・教育系)の大学1・2年生」です。
それ以外の方でも、ゼロから統計のお勉強する際には参考になるかと思います。
以下、何度か「統計検定2級」を引き合いに出しますが、
「統計を使う文系学生に必要十分なレベル」とほぼ同義だと思ってください。
かくいう私も一介の学部生ですので、断言はできませんけど。
(1)「習うより慣れろ!」 はじめの3冊
加減乗除さえできれば読める、素晴らしい統計の本。
豊富な具体例と、解説の充実した練習問題が魅力です。
最初は意味がわからなくていいので、手を動かして具体例を追ってください。
それでもって、練習問題を解答チラ見しながら解いてみてください。
目標は数字のアレルギーをなくすこと・統計計算の感覚をつかむことにあります。
「理由はわからないけど、なんとなく計算はできる」レベルになれば上出来。
後に紹介する『よくわかる心理統計』を読み終わったら、もう一回解いてみましょう。
電卓で十分ですが、面倒だったらExcelで計算すればいいと思います(ぁ
想定読者である「文系学生」さんは、統計の計算に何となく苦手意識を持ってるはず。
ですが、数字が得意だと自負している少数派さんは、本書を飛ばしても構いません。
文系人間がゼロから統計のお勉強をするには必読の1冊。
『ごく初歩の~』で、手を動かして「わかった気に」なったら、
数字だけじゃなく日本語でも、ちゃんと(?)お勉強しましょう。
『よくわかる心理統計』は、『ごく初歩の~』と同レベル・同程度の内容で、
日本語での説明部分が、初学者にも非常にわかりやすく書かれています。
ここでの目標では、先ほどの計算の意味をちゃんと理解することです。
「だったら先にこっちを読むべきでは?」とお思いでしょうが、
先に「p値が~」「自由度が~」って読んでもチンプンカンプンのはず。
事前になんとなく触れてるからこそ、日本語で読んでもちゃんとイメージできます。
だから、もし本書でつまづいてしまったら、もう一度『ごく初歩の~』に戻りましょう。
それでもダメなら、残念ですが2ヶ月半で2級は諦めてください。
とはいえ、いきなり『よくわかる心理統計』から入っても全然OKです。
それくらい、初学者向けの説明が上手な本になっています。
『よくわかる~』→『ごく初歩の~』の順でも、普通はあまり影響はありません。
ところで、本屋で立ち読みして『よくわかる~』は不要だと判断した方は、
きっと何の対策しなくても、統計検定2級に余裕で合格できると思います。
Rによるやさしい統計学 [単行本]
『よくわかる心理統計』と同じ著者による、統計ソフト『R』の入門書です。
統計検定自体にはやや不要ですが、卒論などには必ず役に立つのでご紹介。
(統計検定2級の公式教科書も、Rを知ってると読める範囲が広がります。)
本書では、前掲2冊レベルの内容をRでなぞります。ちょうどいい復習にも。
※後半の応用編は急に難易度上がるので飛ばしてOKです。
Rの入門はネットにも転がってますが、なかなかゼロから順序良く教えてはくれません。
1日30分くらい,30日で何とかRをそこそこ使えるようになるための練習帳くらいな気がします。
練習帳→『Rによる~』の順で触ってれば、1~2ヶ月で前掲2冊レベルの処理はできるように。
実は、統計検定2級レベルの計算はExcelでも十分にできます。
それどころか、HADというExcelで動くフリーの統計プログラムが配布されてまして、
こちらでは(通常はRが必要な処理を含め)文系の大学生が一生困らないレベルのことができます。
作成者の広島大学・清水裕士先生はマザー・テレサの生まれ変わりか何かだと思います。
とはいえ、RにしろHADにしろ「分析結果を読む」のは自力です。
なので、「急がば廻れ」で一度は手(やExcel)で計算してみて、数値の意味を掴んでください。
(統計検定2級にも、「分析結果を読む」問題が数多く出題されます。)
(2)「このあと、どうする?」 王道の2冊+大穴の2冊
(1)の2冊ないし3冊を、1ヶ月~1ヶ月半くらい真剣にやれば、
統計についての基礎は十分に身についたと言っても過言じゃありません。
統計検定3級や、学部1,2年の統計の授業の単位までは余裕だと思います。
2級の過去問に目を通しても、すでに結構な数の問題を解くことができます。
(少なくとも、解くための知識は身についているので、あとは練習だけです。)
ところが、『ごく初歩の~』『よくわかる~』の2冊だけでは、
2013年の統計検定2級に出題された「回帰分析」などの一部分野が入っていません。
ココまででも2級の合格ラインにはおそらく乗るのですが、
やはり未修の部分を残して検定試験に臨むには不安があるかと思います。
東京大学出版会の統計学入門を読めば、不足分野は大体カバーできます。
しかし、『よくわかる~』と比べると、説明が堅苦しくなって頭に入ってこないかもです。
長年読み継がれてる素晴らしい教科書ですが、忍耐力のない方はオススメしません。
「どうしても6月に統計検定2級を取りたい!」って方は、
統計検定2級対応の公式教科書と問題集で、
『ごく初歩の~』『よくわかる~』での不足部分を、適宜補えばいいんじゃないかと思います。
(1)で紹介した3冊で基本体力は付いているので、公式教科書もスラスラ読めるはず。
Amazonレビューでは散々叩かれてますが、不足部分の補充・確認に使うには十分でしょう。
(かくいう私も、公式教科書は読んでないのですが。)
『よくわかる~』→『公式教科書』でも十分だと思いますが、
『統計学入門』まで読めば、2級の対策はほぼ完璧のはず。
『よくわかる~』を飛ばして、いきなり『統計学入門』も選択肢としてはアリですが、
そういう方は、いっそ『統計学入門』も飛ばして、公式教科書だけ読んだほうが安上がりです。
あるいは、公式教科書を読む前にもう1~2冊、以下のシリーズを読んでみてもいいかも。
コチラはタイトル通り、マンガ形式で統計学をビジュアル的に理解できます。
とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) ―データ分析のはじめかた― [単行本]
とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) 2 ―因子分析大作戦― [単行本]
コチラは小説形式なので、ビジュアル的には分かりにくいかも。
とはいえ、Rのデモプログラムによるサポートが付いている点は素晴らしい。
いずれも、「初学者向け」「内容のレベルが十分」「説明が分かりやすい」という、
まさに入門書の鏡のような本になっています(そりゃ、そうだ!)
通常は「最初の1冊」に読むべきかもしれません。
でも、それは「イメージをつかむため」であって、いきなり『よくわかる~』からでも十分です。
むしろ、順当に『とある弁当屋の~』から入っても、2冊めの理解はさほど変わりません。
一方、初歩をひと通り触れたあとに「基礎事項の確認」のために読むと、
統計の知識があるだけに、内容含め隅々まで無駄なく楽しむことができます。
「回帰分析」などの『よくわかる~』で触れられていない分野に関しても、
統計の基礎体力があるので、イメージの質が格段に良くなることと思います。
(そして、これらの分野は正しくイメージを掴めさえすれば、2級は十分なんですよねw)
楽しみながら「基礎事項の確認」「新規事項のイメージを掴む」が同時にできるなんて、
一般向けの「最初の1冊」は、なんて素晴らしいんでしょう!
評判がいいのは『マンガでわかる~』ですが、オススメは『とある弁当屋の~』です。
シリーズ通して読んだ場合、値段が3倍くらい変わってきますので。
3)統計検定を目指さない人への次の1冊
(2)では、6月の統計検定2級に間に合うように、
実質3ヶ月でゼロから勉強した際のプランについて紹介しました。
ところが、別に統計検定にこだわらない(あるいは11月合格を目指す)場合、
『ごく初歩の~』『よくわかる~』の次に読む教科書は、次の1冊でほぼ決まりです。
タイトルこそ『心理統計学の基礎』ですが、
『基礎基本』の基礎ではなく、『基礎理論』の基礎。
『よくわかる~』で勉強した内容を、より深く掘り下げていきます。
(2)で紹介した『統計学入門』も良い教科書ですが、文系学生にはこちらがオススメ。
『統計学入門』よりも数理的な部分は弱いものの、調査・実験に有用な内容が満載です。
心理学を勉強する文系の学生が想定読者とはいえ、
ある程度の数学の知識(高校数学2B程度)も必要になってきます。
こういった本を独学で勉強するのは辛いかと思いますが、
幸い、本書には『心理統計学ワークブック』という問題集があるので、
知識が定着しているかどうかを自分で確認することができます。
それくらい、量・質ともに濃い本になっていますので。
かくいう私も、大学の授業で本書を1年かけて勉強してきました。
統計検定2級を、特別の対策なしに合格できたのも、
現在、心理学の授業にて統計を(だいたい)問題なく使えているのも、
本書の内容をだいたい理解できているからだと思います。
惜しむらくは、本書をある程度読んだあとに『よくわかる~』に出会ったことですかね。
もしも出会った順番が逆だったら、もうすこし早く理解が進んだかもしれません。
この本のレベル以降のことに関しては、私もこれから探っていきます。
【2015.05.05 追記】
『心理統計学の基礎』に続編が出たのは良いのですが、
統計検定?何それ美味しいの?レベルの高度な内容が展開されているため、
心理・教育系の研究者を目指す一部の方が読めば十分な内容です。
それ以外の方はチンプンカンプンだと思います。
心理・教育(+社会)系で、もうちょい分かりやすく高度な手法を何となく理解したい方は、
上記の本に進む方が良いかもしれません。(1級の人文系に対応してるはずです。多分。)
まとめ
文系人間がゼロから始めて、6月に統計検定2級に合格したい方は、
『ごく初歩の~』→『よくわかる~』→(『統計学入門』)→『公式教科書・過去問』
が最短ルートだと思います。私は通ってないので責任は持てませんが。
補足としては、
・「俺は数字に強い!」という自負のある方は、『ごく初歩の~』も飛ばしていいかも。
・『よくわかる~』が不要なレベルの人は、もう公式教科書だけ読んでください。
・「『統計学入門』は嫌だけど、回帰分析が不安」というワガママさんは、
『とある弁当屋の~』でも読めばいいと思います。1巻だけでOKです。
・同時並行で『Rによる~』も勉強すると、自分で統計を「使える」ようになります。
・11月以降の合格を狙う方や、統計検定にこだわらない方は、
2級公式教科書を買うお金で『心理統計学の基礎』を買ったほうがいいです。
といったところでしょうか。
ところで、誰か『文系人間がゼロから統計検定1級を取るための最短ルート』を教えて下さい(土下座
どうやら統計検定の受験記にアクセス数が集中してるようです。
(記事:統計検定2級&統計調査士を受験しました)
そんな私ですが、統計の勉強を始めたのは1年半前です。
大学の専攻は心理学。いわゆる「文系」の人間でした。
専門課程で必要に駆られて勉強を始めてから、
だいたい1年で統計検定2級のラインまで到達しています。
2級を取れば、MARCHレベルの大学でも優秀な方に入るはずです。
「大学で統計を勉強した!」と、とりあえずドヤ顔できるくらいだと思います。
あと、どうやらブログのアクセス数的に、ネットの世界でもドヤ顔できるらしいです。
今回は、「文系だけど・・・」「統計って?」というレベルからスタートして、
「簡単な統計処理ができる」「統計検定2級が取れる」レベルに到達するまでの、
ふたばあおい流の最短ルートを紹介したいと思います。
ネットスラングで言う「ぼくのかんがえたさいきょうの○○」ですね。
次回の統計検定が6/22に開催されますが、
以下のとおりに勉強すれば、今からでも2ヶ月半で2級に間にあうかもしれません(適当)。
主な読者層は「これから統計に触る、文系(心理・教育系)の大学1・2年生」です。
それ以外の方でも、ゼロから統計のお勉強する際には参考になるかと思います。
以下、何度か「統計検定2級」を引き合いに出しますが、
「統計を使う文系学生に必要十分なレベル」とほぼ同義だと思ってください。
かくいう私も一介の学部生ですので、断言はできませんけど。
(1)「習うより慣れろ!」 はじめの3冊
加減乗除さえできれば読める、素晴らしい統計の本。
豊富な具体例と、解説の充実した練習問題が魅力です。
最初は意味がわからなくていいので、手を動かして具体例を追ってください。
それでもって、練習問題を解答チラ見しながら解いてみてください。
目標は数字のアレルギーをなくすこと・統計計算の感覚をつかむことにあります。
「理由はわからないけど、なんとなく計算はできる」レベルになれば上出来。
後に紹介する『よくわかる心理統計』を読み終わったら、もう一回解いてみましょう。
電卓で十分ですが、面倒だったらExcelで計算すればいいと思います(ぁ
想定読者である「文系学生」さんは、統計の計算に何となく苦手意識を持ってるはず。
ですが、数字が得意だと自負している少数派さんは、本書を飛ばしても構いません。
文系人間がゼロから統計のお勉強をするには必読の1冊。
『ごく初歩の~』で、手を動かして「わかった気に」なったら、
数字だけじゃなく日本語でも、ちゃんと(?)お勉強しましょう。
『よくわかる心理統計』は、『ごく初歩の~』と同レベル・同程度の内容で、
日本語での説明部分が、初学者にも非常にわかりやすく書かれています。
ここでの目標では、先ほどの計算の意味をちゃんと理解することです。
「だったら先にこっちを読むべきでは?」とお思いでしょうが、
先に「p値が~」「自由度が~」って読んでもチンプンカンプンのはず。
事前になんとなく触れてるからこそ、日本語で読んでもちゃんとイメージできます。
だから、もし本書でつまづいてしまったら、もう一度『ごく初歩の~』に戻りましょう。
それでもダメなら、残念ですが2ヶ月半で2級は諦めてください。
とはいえ、いきなり『よくわかる心理統計』から入っても全然OKです。
それくらい、初学者向けの説明が上手な本になっています。
『よくわかる~』→『ごく初歩の~』の順でも、普通はあまり影響はありません。
ところで、本屋で立ち読みして『よくわかる~』は不要だと判断した方は、
きっと何の対策しなくても、統計検定2級に余裕で合格できると思います。
Rによるやさしい統計学 [単行本]
『よくわかる心理統計』と同じ著者による、統計ソフト『R』の入門書です。
統計検定自体にはやや不要ですが、卒論などには必ず役に立つのでご紹介。
(統計検定2級の公式教科書も、Rを知ってると読める範囲が広がります。)
本書では、前掲2冊レベルの内容をRでなぞります。ちょうどいい復習にも。
※後半の応用編は急に難易度上がるので飛ばしてOKです。
Rの入門はネットにも転がってますが、なかなかゼロから順序良く教えてはくれません。
1日30分くらい,30日で何とかRをそこそこ使えるようになるための練習帳くらいな気がします。
練習帳→『Rによる~』の順で触ってれば、1~2ヶ月で前掲2冊レベルの処理はできるように。
実は、統計検定2級レベルの計算はExcelでも十分にできます。
それどころか、HADというExcelで動くフリーの統計プログラムが配布されてまして、
こちらでは(通常はRが必要な処理を含め)文系の大学生が一生困らないレベルのことができます。
作成者の広島大学・清水裕士先生はマザー・テレサの生まれ変わりか何かだと思います。
とはいえ、RにしろHADにしろ「分析結果を読む」のは自力です。
なので、「急がば廻れ」で一度は手(やExcel)で計算してみて、数値の意味を掴んでください。
(統計検定2級にも、「分析結果を読む」問題が数多く出題されます。)
(2)「このあと、どうする?」 王道の2冊+大穴の2冊
(1)の2冊ないし3冊を、1ヶ月~1ヶ月半くらい真剣にやれば、
統計についての基礎は十分に身についたと言っても過言じゃありません。
統計検定3級や、学部1,2年の統計の授業の単位までは余裕だと思います。
2級の過去問に目を通しても、すでに結構な数の問題を解くことができます。
(少なくとも、解くための知識は身についているので、あとは練習だけです。)
ところが、『ごく初歩の~』『よくわかる~』の2冊だけでは、
2013年の統計検定2級に出題された「回帰分析」などの一部分野が入っていません。
ココまででも2級の合格ラインにはおそらく乗るのですが、
やはり未修の部分を残して検定試験に臨むには不安があるかと思います。
東京大学出版会の統計学入門を読めば、不足分野は大体カバーできます。
しかし、『よくわかる~』と比べると、説明が堅苦しくなって頭に入ってこないかもです。
長年読み継がれてる素晴らしい教科書ですが、忍耐力のない方はオススメしません。
「どうしても6月に統計検定2級を取りたい!」って方は、
統計検定2級対応の公式教科書と問題集で、
『ごく初歩の~』『よくわかる~』での不足部分を、適宜補えばいいんじゃないかと思います。
(1)で紹介した3冊で基本体力は付いているので、公式教科書もスラスラ読めるはず。
Amazonレビューでは散々叩かれてますが、不足部分の補充・確認に使うには十分でしょう。
(かくいう私も、公式教科書は読んでないのですが。)
『よくわかる~』→『公式教科書』でも十分だと思いますが、
『統計学入門』まで読めば、2級の対策はほぼ完璧のはず。
『よくわかる~』を飛ばして、いきなり『統計学入門』も選択肢としてはアリですが、
そういう方は、いっそ『統計学入門』も飛ばして、公式教科書だけ読んだほうが安上がりです。
あるいは、公式教科書を読む前にもう1~2冊、以下のシリーズを読んでみてもいいかも。
コチラはタイトル通り、マンガ形式で統計学をビジュアル的に理解できます。
とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) 2 ―因子分析大作戦― [単行本]
コチラは小説形式なので、ビジュアル的には分かりにくいかも。
とはいえ、Rのデモプログラムによるサポートが付いている点は素晴らしい。
まさに入門書の鏡のような本になっています(そりゃ、そうだ!)
通常は「最初の1冊」に読むべきかもしれません。
でも、それは「イメージをつかむため」であって、いきなり『よくわかる~』からでも十分です。
むしろ、順当に『とある弁当屋の~』から入っても、2冊めの理解はさほど変わりません。
一方、初歩をひと通り触れたあとに「基礎事項の確認」のために読むと、
統計の知識があるだけに、内容含め隅々まで無駄なく楽しむことができます。
「回帰分析」などの『よくわかる~』で触れられていない分野に関しても、
統計の基礎体力があるので、イメージの質が格段に良くなることと思います。
(そして、これらの分野は正しくイメージを掴めさえすれば、2級は十分なんですよねw)
楽しみながら「基礎事項の確認」「新規事項のイメージを掴む」が同時にできるなんて、
一般向けの「最初の1冊」は、なんて素晴らしいんでしょう!
評判がいいのは『マンガでわかる~』ですが、オススメは『とある弁当屋の~』です。
シリーズ通して読んだ場合、値段が3倍くらい変わってきますので。
3)統計検定を目指さない人への次の1冊
(2)では、6月の統計検定2級に間に合うように、
実質3ヶ月でゼロから勉強した際のプランについて紹介しました。
ところが、別に統計検定にこだわらない(あるいは11月合格を目指す)場合、
『ごく初歩の~』『よくわかる~』の次に読む教科書は、次の1冊でほぼ決まりです。
タイトルこそ『心理統計学の基礎』ですが、
『基礎基本』の基礎ではなく、『基礎理論』の基礎。
『よくわかる~』で勉強した内容を、より深く掘り下げていきます。
(2)で紹介した『統計学入門』も良い教科書ですが、文系学生にはこちらがオススメ。
『統計学入門』よりも数理的な部分は弱いものの、調査・実験に有用な内容が満載です。
心理学を勉強する文系の学生が想定読者とはいえ、
ある程度の数学の知識(高校数学2B程度)も必要になってきます。
こういった本を独学で勉強するのは辛いかと思いますが、
幸い、本書には『心理統計学ワークブック』という問題集があるので、
知識が定着しているかどうかを自分で確認することができます。
『ワークブック』も含めると数ヶ月~半年以上かかると思います。
それくらい、量・質ともに濃い本になっていますので。
かくいう私も、大学の授業で本書を1年かけて勉強してきました。
統計検定2級を、特別の対策なしに合格できたのも、
現在、心理学の授業にて統計を(だいたい)問題なく使えているのも、
本書の内容をだいたい理解できているからだと思います。
惜しむらくは、本書をある程度読んだあとに『よくわかる~』に出会ったことですかね。
もしも出会った順番が逆だったら、もうすこし早く理解が進んだかもしれません。
この本のレベル以降のことに関しては、私もこれから探っていきます。
【2015.05.05 追記】
『心理統計学の基礎』に続編が出たのは良いのですが、
統計検定?何それ美味しいの?レベルの高度な内容が展開されているため、
心理・教育系の研究者を目指す一部の方が読めば十分な内容です。
それ以外の方はチンプンカンプンだと思います。
心理・教育(+社会)系で、もうちょい分かりやすく高度な手法を何となく理解したい方は、
上記の本に進む方が良いかもしれません。(1級の人文系に対応してるはずです。多分。)
まとめ
文系人間がゼロから始めて、6月に統計検定2級に合格したい方は、
『ごく初歩の~』→『よくわかる~』→(『統計学入門』)→『公式教科書・過去問』
が最短ルートだと思います。私は通ってないので責任は持てませんが。
補足としては、
・「俺は数字に強い!」という自負のある方は、『ごく初歩の~』も飛ばしていいかも。
・『よくわかる~』が不要なレベルの人は、もう公式教科書だけ読んでください。
・「『統計学入門』は嫌だけど、回帰分析が不安」というワガママさんは、
『とある弁当屋の~』でも読めばいいと思います。1巻だけでOKです。
・同時並行で『Rによる~』も勉強すると、自分で統計を「使える」ようになります。
・11月以降の合格を狙う方や、統計検定にこだわらない方は、
2級公式教科書を買うお金で『心理統計学の基礎』を買ったほうがいいです。
といったところでしょうか。
ところで、誰か『文系人間がゼロから統計検定1級を取るための最短ルート』を教えて下さい(土下座
futaba1214 at 20:25│コメント(7)
2013年11月17日
お久しぶりの更新になりました。ご無沙汰しています。
ふたばあおいです。
タイトルの通り、統計検定の2級と、統計調査士を受験してきました。
私の専攻が実験心理学なので、統計処理を普段から使うこともあり、
自分の統計力なるものがどの程度か、確かめてみようと思ったのがきっかけ。
さらに言えば、最近はビックデータ・統計ブームみたいなのが来てますし、
「統計が得意です!」って言ったらカッコイイかなぁーとw
統計検定自体は、まだ始まって3回目とかの、
比較的新しい(でもってマイナーな)試験です。
1級~4級までと、統計調査士、専門統計調査士の試験があります。
私が今回受けた2級は、「大学基礎科目程度」という設定。
一般的な確率分布、推定、検定なんかが範囲でした。
去年だか一昨年だかに受けた「基礎統計」って講義なり、
大学の専門で受けてる「心理統計学」って講義に該当してました。
3級は高校の数学レベルで解けますし、
1級は「統計を専門にしてる大学生」レベルの難易度。
1級の難易度、コレ絶対嘘でしょ…
なので今回は2級を受験してみましたが、
いずれは1級も受験してみたいところ。
もう一方の統計調査士は、
「公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、
公的統計を適切に利用する能力を評価する検定試験」
…らしいです。
コレ、社会調査士と何が違うんでしょう…?
とにかく、「折角だから」と軽いノリで受験してみました。
さて、試験の感想はと言いますと。
2級の方は、「まぁ、この程度か」といった印象です。
大学の専攻の関係で、Rなどでデータを検定にかける経験はそれなりに。
(まぁ、文系人間なので主にExcelで済ませますがw)
なので、t検定や分散分析、回帰分析といった範囲に関しては、
特に対策せず、簡単に見直すだけで何とかなりました。
一方で、ポアソン分布や一様分布といった確率分布や、
信頼区間や区間推定といった話は、
普段なかなか触れないこともあり、非常に苦戦しました。
もっとバランスよく勉強すれば何とかなったでしょうが、
あまり勉強時間も取れなかったので、落ちたら明らかにココのせいですw
おそらく、8割程度は解けたんじゃないかしら。
2級の受験にあたっては、公式教科書を買わずに、
南風原先生の「心理統計学の基礎」を辞書代わりに使ってました。
先ほどは「確率分布や推定が苦手だ」って言いましたが、
南風原先生の本では、ちゃんとこれらの話題にも(軽く)触れられています。
ので、苦手を作ってしまった原因は、ひとえに私にありますw
とはいえ、1級を受ける時には、確率分布や推定の話、
あるいは数理的な面を別な本でもっと勉強しなきゃですね。
統計調査士については、、、よく分かりませんw
まだ始まったばかりの検定試験なこともあり、
統計調査士に対応した教科書・参考書は特にありません。
社会調査士なんかの参考書を読めばいいのでしょうが、
そもそも「何を聞いてくるか?」が分からないと手も打てないので、
とりあえず過去問を2年分解いてみました。
試験の範囲は、主に以下の3つになります。
(1)統計法についての知識
(2)統計調査の実務・心得
(3)公的統計の活用・データの読み取り
このうち、過去問を読んでみると、
(1)の出題比率も、求められる知識量も多く、
ココが勝負の分かれ目になるような印象を受けました。
…が、特に参考書とかを読むことはせず、
過去問を1周しただけで、「あとは野となれ山となれ」で試験に臨みました。
ところが、試験問題を開いてみると、
どうやら今年は傾向が変わったようで、
(3)のデータ読み取りについて、出題比率が大きくなっていました。
その影響か、試験後の会場からは、
「出題傾向変わりすぎだろ…」
「あれだけのデータを読ませるなんて、時間無いよ…」
なんて声が至るところから聞かれました。
けれど、そもそも(1)の対策をロクにしなかった私に取って、
今回の傾向変化は願ったり叶ったりでしたw
とはいえ、統計法規についての細かい知識は、
自信を持って答えられなかったことも、これまた事実。
合格ラインの7割を超えているかは、とっても微妙なところです。
ともかく、今後も統計手法は磨いていきたいところです。
まだお遊び程度にしか使えませんしw
もう少しまともに統計を「活用」できるようになりたいですね。
結果発表はいつになるか把握していませんが、
無事に通っていましたら、またご報告いたします。
【追記】
統計検定2級、統計調査士ともに合格していました。
2級の方は優秀成績賞もいただきました。が、最優秀狙ってたのでやや不本意ですw
【追記2】
この記事だけ他の10倍位読まれてるっぽいので、
文系人間がゼロから統計検定2級を取るための最短ルート なんてのも書きました。
よろしければ、ぜひ。
【追記3】
今思うと、社会調査法についての本を読んでおけば、
統計調査士・専門統計調査士ともにいい勉強になった気がします。
ふたばあおいです。
タイトルの通り、統計検定の2級と、統計調査士を受験してきました。
私の専攻が実験心理学なので、統計処理を普段から使うこともあり、
自分の統計力なるものがどの程度か、確かめてみようと思ったのがきっかけ。
さらに言えば、最近はビックデータ・統計ブームみたいなのが来てますし、
「統計が得意です!」って言ったらカッコイイかなぁーとw
統計検定自体は、まだ始まって3回目とかの、
比較的新しい(でもってマイナーな)試験です。
1級~4級までと、統計調査士、専門統計調査士の試験があります。
私が今回受けた2級は、「大学基礎科目程度」という設定。
一般的な確率分布、推定、検定なんかが範囲でした。
去年だか一昨年だかに受けた「基礎統計」って講義なり、
大学の専門で受けてる「心理統計学」って講義に該当してました。
3級は高校の数学レベルで解けますし、
1級は「統計を専門にしてる大学生」レベルの難易度。
なので今回は2級を受験してみましたが、
いずれは1級も受験してみたいところ。
もう一方の統計調査士は、
「公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、
公的統計を適切に利用する能力を評価する検定試験」
…らしいです。
コレ、社会調査士と何が違うんでしょう…?
とにかく、「折角だから」と軽いノリで受験してみました。
さて、試験の感想はと言いますと。
2級の方は、「まぁ、この程度か」といった印象です。
大学の専攻の関係で、Rなどでデータを検定にかける経験はそれなりに。
(まぁ、文系人間なので主にExcelで済ませますがw)
なので、t検定や分散分析、回帰分析といった範囲に関しては、
特に対策せず、簡単に見直すだけで何とかなりました。
一方で、ポアソン分布や一様分布といった確率分布や、
信頼区間や区間推定といった話は、
普段なかなか触れないこともあり、非常に苦戦しました。
もっとバランスよく勉強すれば何とかなったでしょうが、
あまり勉強時間も取れなかったので、落ちたら明らかにココのせいですw
おそらく、8割程度は解けたんじゃないかしら。
2級の受験にあたっては、公式教科書を買わずに、
南風原先生の「心理統計学の基礎」を辞書代わりに使ってました。
先ほどは「確率分布や推定が苦手だ」って言いましたが、
南風原先生の本では、ちゃんとこれらの話題にも(軽く)触れられています。
ので、苦手を作ってしまった原因は、ひとえに私にありますw
とはいえ、1級を受ける時には、確率分布や推定の話、
あるいは数理的な面を別な本でもっと勉強しなきゃですね。
統計調査士については、、、よく分かりませんw
まだ始まったばかりの検定試験なこともあり、
統計調査士に対応した教科書・参考書は特にありません。
社会調査士なんかの参考書を読めばいいのでしょうが、
そもそも「何を聞いてくるか?」が分からないと手も打てないので、
とりあえず過去問を2年分解いてみました。
試験の範囲は、主に以下の3つになります。
(1)統計法についての知識
(2)統計調査の実務・心得
(3)公的統計の活用・データの読み取り
このうち、過去問を読んでみると、
(1)の出題比率も、求められる知識量も多く、
ココが勝負の分かれ目になるような印象を受けました。
…が、特に参考書とかを読むことはせず、
過去問を1周しただけで、「あとは野となれ山となれ」で試験に臨みました。
ところが、試験問題を開いてみると、
どうやら今年は傾向が変わったようで、
(3)のデータ読み取りについて、出題比率が大きくなっていました。
その影響か、試験後の会場からは、
「出題傾向変わりすぎだろ…」
「あれだけのデータを読ませるなんて、時間無いよ…」
なんて声が至るところから聞かれました。
けれど、そもそも(1)の対策をロクにしなかった私に取って、
今回の傾向変化は願ったり叶ったりでしたw
とはいえ、統計法規についての細かい知識は、
自信を持って答えられなかったことも、これまた事実。
合格ラインの7割を超えているかは、とっても微妙なところです。
ともかく、今後も統計手法は磨いていきたいところです。
まだお遊び程度にしか使えませんしw
もう少しまともに統計を「活用」できるようになりたいですね。
結果発表はいつになるか把握していませんが、
無事に通っていましたら、またご報告いたします。
【追記】
統計検定2級、統計調査士ともに合格していました。
2級の方は優秀成績賞もいただきました。が、最優秀狙ってたのでやや不本意ですw
【追記2】
この記事だけ他の10倍位読まれてるっぽいので、
文系人間がゼロから統計検定2級を取るための最短ルート なんてのも書きました。
よろしければ、ぜひ。
【追記3】
今思うと、社会調査法についての本を読んでおけば、
統計調査士・専門統計調査士ともにいい勉強になった気がします。
futaba1214 at 17:05│コメント(0)