研究生活

2015年05月05日

Publish or Perishという言葉に象徴されているように、
今の研究者は論文書いてナンボの世界です。

論文(=研究)の質も重要だけど、それにも増して数が重要。

質の高い、つまりは有名誌に乗った論文の数が多かったら、それはもう最強。

逆に言えば、論文書かない研究者は、研究者として生きていくことすら出来ません。
大学院生・若手研究者の懐事情はただでさえ厳しいモノなのに。

例のナントカ細胞などの研究不正のモチベーションも、
やっぱりこの辺りにあるんじゃないかと思ってしまいます。


と、そんな中でネットでも話題になっている、『できる研究者の論文生産術』を読みました。



この本の内容について語るべきは、習慣は才能に優るのひとことで十分。

「平日の午前10-12時は論文を書く時間!」のように、
スケジュール内に論文を書く時間を強制的に確保することで、
書き上がる論文の量・質ともに格段に良くなるといいます。


忙しい?

気分が乗らない?

インスピレーションが湧かない?

分析・調査が終わってない?



これらに対する著者の解答は至ってシンプル。知るか、黙って書けのひとこと。

いやはや、本当に耳が痛い。


大学院生となって1ヶ月が経つけれど、微塵も研究は進んでいません。

専攻を大きく変えてしまい基礎知識も不十分な現状で、
「テーマがまだ見えてないから」「授業が忙しいから」という言い訳を使って、
未だに論文すらロクに読めていません。はやくも落ちこぼれ大学院生になってしまいました。

ネット上の「大学院生だけど死にたい」的な記事が、はやくも身に沁みます。

こんな私に、本書の著者だったら、
「知るか、黙って片っ端から論文読め」と言うに違いありません。




今クール公開中の『響け!ユーフォニアム』の滝先生曰く、
私たちは「若さにかまけて時間をドブに捨てている」らしいです。

研究する時間なんてたくさんある、はずなんだけどなぁ。。。




ところで、「知るか、黙って書け」という主張には既視感を覚えました。

ココではいちいち例示しないけれども、ネットに膨大に溢れている、
「稼げるブロガーになるコツ」なるものと、全く同じこととを言っているからです。
今日もキュレーションサイトにオススメされました。

きっと彼らの成功も、毎日ブログを書く習慣を身につけている上に成り立ってるのでしょう。

ネタ探しや書いた文章の取り扱いといった点は、ブロガーと研究者は確かに異なります。

しかし、文章を大量生産するものが勝つという点ではブロガーも研究者も同じ。
そして、そのために必要なことは「まいにち書くことを習慣化する」という1点のみ。

ブロガーも研究者も、成功するために求められる性質は共通しているようです。


実際に、東京大学の中原淳先生のように、面白いブログをハイペースで書く研究者も。
ですが、このレベルを目指すのは至難の業なので既に諦めてます。

一流の研究者が書くブログは、その内容も非常に示唆に飛んでいて面白いのですけれど。

とはいえ、とっとと研究しなきゃいけない大学院生としては、
ブログをまいにち更新するような習慣を作るくらいなら、
まいにち論文読んで研究する習慣を作るほうが何百倍も大切なことであって。

残念ながら、当ブログがまいにち更新になる予定は今のところ皆無です。



……とは言ったものの、実は大学院生になってから、
周囲にブログを始めた同期の学生が増えてきました。 

研究内容や文献のレビューがほとんどですが、
やはり彼らは私なぞの何倍も「研究してるなぁー」と感じます。

研究する習慣を身につける1つの作戦として、
成果を半強制的に外部に発信することは相当に有効かもです。
発信することで頭を整理したり、周囲からフィードバックを貰える効果もあります。

一方で、私個人はこの作戦を取るのが怖く、一歩を踏み出せないでいます。

というのも、読んだ文献のレビューや研究テーマを不特定多数に公開することが、
研究のアイデアを盗まれてしまう気がしているのです。

その分、得るものも大きいのは分かっちゃいるのですが……



よい研究者はよいブロガーにも向いているらしい。

では、よい研究者になるためには、よいブロガーになるべきなのか? 


・研究の習慣を身につけること

・自分の文章を公開することのメリット/デメリット


いずれも異なる次元ではありますが、
どう折り合いをつけるべきか非常に難しい問題です。 


「こんな記事を書いてる暇があったら研究しろ」ってコトだけが、紛れも無い現実のようです。