君の名は。
2016年09月22日
新海誠さんの映画『君の名は。』を観てきた。
実のところ、付き合っていた彼女との、『君の名は。』感想トークをきっかけに、
突如として別れ話を切り出され、連絡を拒否されたまま今に至っている。
誰だよ、観たら結婚したくなる作品とか言ってた奴
そういう個人的なトラウマもあって、正直なところ、作品を正当に評価できない。
だから、「ココが良かった!」とかを語るには、どうも気分が乗らない。
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ともあれ、『君の名は。』がここまでの話題作になっていることは、
新海誠ファンの1人として純粋に嬉しく思っている。
もちろん、息を呑むほど綺麗な映像と音楽も魅力のひとつだけれど、
ストーリーだって、登場人物だって、すっごく魅力的だ。
『君の名は。』は、監督・脚本の新海誠さんご自身による小説版と、
もう1冊、加納新太さんという方による外伝小説が出版されている。
外伝小説では、勅使河原や四葉、あるいは三葉の父といった人々に焦点が当てられる。
映画本編に登場するキャラクターや、糸守という舞台を深く掘り下げた作品だ。
本編を十分に楽しんだけど、まだ想いを消化しきれない人にこそ読んで欲しい。
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ところで、外伝小説を執筆した加納新太さんという方。
新海誠作品のノベライズ版は今回で4作目と、半ばお馴染みの方でもある。
秒速5センチメートル one more side [単行本]
ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる [単行本]
雲のむこう、約束の場所 [単行本]
普段は(?)、小説家として、漫画やアニメ、TCGのノベライズ版を主に執筆されている。
今回の『君の名は。』では、脚本協力としてスタッフロールにも登場しており、
ただのノベライズ版作者、を超えて、より密に作品にコミットしていたようだ。
加納新太さんが脚本協力で携わっていると知って、
『君の名は。』に感じた、うまく言語化できなかった魅力の1つが腑に落ちた。
世界はイマ、ココ、2人だけでは回らない、ってことだ。
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加納新太さんの魅力が最も発揮されてるのは、
彼のブログ記事 「ドラクエ6」が本当に目指したもの だと、勝手に思っている。
ドラクエ6の世界で「語られなかった謎」、あるいは物語のスキマを、
加納新太さんが想像力をめいっぱい拡げて、推理(ないしは空想)している。
ドラクエ6をプレイしたことのある人だったら、
まずは何も言わずに先のブログ記事を読んでほしい。
当ブログは一刻も早く閉じよう。
加納新太さんが先のブログ記事でやっているのは、
語られなかった物語の空白を想像して、世界の謎を解き明かす、とてもワクワクする作業だ。
このNPCは、どうしてそんな行動をとったのか?
このイベントには、どんなメッセージが込められているのか?
プレイヤーが体験する、もやもやの向こう側を1つ1つ立ち止まっては考えて、
そうした「あ、そうか!」を積み重ねていくことで、自分だけが気づける世界の秘密に迫る。
人生で最初にプレイしたドラクエが6だった私にとっては、
彼が真の姿を明らかにしていくドラクエの世界が、まるで麻薬のような快感だった。
ドラクエ6をプレイしたことがない人には、「何のことやら」かもしれない。
そういう方にも、私の感じた興奮がちょっぴりでも伝われば、それでいい。
彼のドラクエ6ブログに言いようもない快感を覚えた同志諸君には、
「ゲームをする体験」と「ゲームの物語」の関連性について書かれた、
サマルトリアにいかづちの杖
【ドラクエ3】さばきのつえが愛しい
大人になってからプレイするドラクエ4
【ドラクエ・ロト三部作】ローラ姫と精霊ルビスの謎
などのブログ記事も読んで欲しい。ドラクエの世界観への深い愛情を感じる。
残念ながら、新海作品の他は『ハヤテのごとく!』しか知らないけれど、
加納新太さんにノベライズ化される原作は幸せだろうな、と、心から思っている。
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『言の葉の庭』も、『秒速5センチメートル』も、『ほしのこえ』も、
結局のところ、恋に落ちた1組の男女の物語だ。
イマ、ココに2人さえいれば、世界は回る。
雨も、桜も、宇宙人も、みんな背景でしかない。
そういった背景装置を通して2人の感情を描くのが、新海さんの魅力でもある。
けれども、『君の名は。』の世界は、瀧と三葉の2人だけじゃない。
瀧と三葉の2人に焦点を当てながらも、
2人の外側にある関係(それこそ”ムスビ”)を、すっごく大切にしている。
小説版の『言の葉の庭』にも若干似たようなことを感じたけれども、
『君の名は。』はそれ以上に、生きている世界のうえで語られる物語に思えた。
三葉と四葉の父親なんか、最たる例だ。
映画では一切語られなかったけれど、彼には彼の歴史と物語を感じさせる。
もっとチープな例を挙げるならば、「ユキちゃん先生」だろうか。
新海誠さんの前作『言の葉の庭』を知っている人なら、
彼女がなぜ糸守にいるのか、孝雄とはどうなったのか、想像せずにはいられない。
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そして、『君の名は。』の世界の語られない裏側に、
確かな奥行きを与えた原動力こそ、脚本協力の加納新太さんなのかもしれない。
新海さんの広げた世界観が、加納さんの手によって深みを増していく。
それこそ、堀井雄二さんが広げたドラクエの世界観を、
加納さんが想像力豊かに解き明かしていったように。
私には「脚本:新海誠・加納新太」にさえ思える作品だった。
結局のところ、私がトラウマを棚に上げ、ダラダラと長文を書いてる動機は、
『君の名は。』に託けて、ドラクエ記事を紹介したかっただけだったりする。
それでも、 世界の謎を解いていく快感は、癖になる。
そして、『君の名は。』は、これまでの新海作品でいちばん、謎を解きたくなる物語だった。
実のところ、付き合っていた彼女との、『君の名は。』感想トークをきっかけに、
突如として別れ話を切り出され、連絡を拒否されたまま今に至っている。
そういう個人的なトラウマもあって、正直なところ、作品を正当に評価できない。
だから、「ココが良かった!」とかを語るには、どうも気分が乗らない。
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ともあれ、『君の名は。』がここまでの話題作になっていることは、
新海誠ファンの1人として純粋に嬉しく思っている。
もちろん、息を呑むほど綺麗な映像と音楽も魅力のひとつだけれど、
ストーリーだって、登場人物だって、すっごく魅力的だ。
『君の名は。』は、監督・脚本の新海誠さんご自身による小説版と、
もう1冊、加納新太さんという方による外伝小説が出版されている。
外伝小説では、勅使河原や四葉、あるいは三葉の父といった人々に焦点が当てられる。
映画本編に登場するキャラクターや、糸守という舞台を深く掘り下げた作品だ。
本編を十分に楽しんだけど、まだ想いを消化しきれない人にこそ読んで欲しい。
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ところで、外伝小説を執筆した加納新太さんという方。
新海誠作品のノベライズ版は今回で4作目と、半ばお馴染みの方でもある。
秒速5センチメートル one more side [単行本]
ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる [単行本]
雲のむこう、約束の場所 [単行本]
普段は(?)、小説家として、漫画やアニメ、TCGのノベライズ版を主に執筆されている。
今回の『君の名は。』では、脚本協力としてスタッフロールにも登場しており、
ただのノベライズ版作者、を超えて、より密に作品にコミットしていたようだ。
加納新太さんが脚本協力で携わっていると知って、
『君の名は。』に感じた、うまく言語化できなかった魅力の1つが腑に落ちた。
世界はイマ、ココ、2人だけでは回らない、ってことだ。
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加納新太さんの魅力が最も発揮されてるのは、
彼のブログ記事 「ドラクエ6」が本当に目指したもの だと、勝手に思っている。
ドラクエ6の世界で「語られなかった謎」、あるいは物語のスキマを、
加納新太さんが想像力をめいっぱい拡げて、推理(ないしは空想)している。
ドラクエ6をプレイしたことのある人だったら、
まずは何も言わずに先のブログ記事を読んでほしい。
当ブログは一刻も早く閉じよう。
加納新太さんが先のブログ記事でやっているのは、
語られなかった物語の空白を想像して、世界の謎を解き明かす、とてもワクワクする作業だ。
このNPCは、どうしてそんな行動をとったのか?
このイベントには、どんなメッセージが込められているのか?
プレイヤーが体験する、もやもやの向こう側を1つ1つ立ち止まっては考えて、
そうした「あ、そうか!」を積み重ねていくことで、自分だけが気づける世界の秘密に迫る。
人生で最初にプレイしたドラクエが6だった私にとっては、
彼が真の姿を明らかにしていくドラクエの世界が、まるで麻薬のような快感だった。
ドラクエ6をプレイしたことがない人には、「何のことやら」かもしれない。
そういう方にも、私の感じた興奮がちょっぴりでも伝われば、それでいい。
彼のドラクエ6ブログに言いようもない快感を覚えた同志諸君には、
「ゲームをする体験」と「ゲームの物語」の関連性について書かれた、
サマルトリアにいかづちの杖
【ドラクエ3】さばきのつえが愛しい
大人になってからプレイするドラクエ4
【ドラクエ・ロト三部作】ローラ姫と精霊ルビスの謎
などのブログ記事も読んで欲しい。ドラクエの世界観への深い愛情を感じる。
残念ながら、新海作品の他は『ハヤテのごとく!』しか知らないけれど、
加納新太さんにノベライズ化される原作は幸せだろうな、と、心から思っている。
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『言の葉の庭』も、『秒速5センチメートル』も、『ほしのこえ』も、
結局のところ、恋に落ちた1組の男女の物語だ。
イマ、ココに2人さえいれば、世界は回る。
雨も、桜も、宇宙人も、みんな背景でしかない。
そういった背景装置を通して2人の感情を描くのが、新海さんの魅力でもある。
けれども、『君の名は。』の世界は、瀧と三葉の2人だけじゃない。
瀧と三葉の2人に焦点を当てながらも、
2人の外側にある関係(それこそ”ムスビ”)を、すっごく大切にしている。
小説版の『言の葉の庭』にも若干似たようなことを感じたけれども、
『君の名は。』はそれ以上に、生きている世界のうえで語られる物語に思えた。
三葉と四葉の父親なんか、最たる例だ。
映画では一切語られなかったけれど、彼には彼の歴史と物語を感じさせる。
もっとチープな例を挙げるならば、「ユキちゃん先生」だろうか。
新海誠さんの前作『言の葉の庭』を知っている人なら、
彼女がなぜ糸守にいるのか、孝雄とはどうなったのか、想像せずにはいられない。
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そして、『君の名は。』の世界の語られない裏側に、
確かな奥行きを与えた原動力こそ、脚本協力の加納新太さんなのかもしれない。
新海さんの広げた世界観が、加納さんの手によって深みを増していく。
それこそ、堀井雄二さんが広げたドラクエの世界観を、
加納さんが想像力豊かに解き明かしていったように。
私には「脚本:新海誠・加納新太」にさえ思える作品だった。
結局のところ、私がトラウマを棚に上げ、ダラダラと長文を書いてる動機は、
『君の名は。』に託けて、ドラクエ記事を紹介したかっただけだったりする。
それでも、 世界の謎を解いていく快感は、癖になる。
そして、『君の名は。』は、これまでの新海作品でいちばん、謎を解きたくなる物語だった。
futaba1214 at 18:33│コメント(2)