2015年12月07日

時間つぶしに本屋をうろついていたら、
何処かで見たことのある色使いとタイトルの本に思わず二度見した。



「また二番煎じが出たのか、いい加減飽きたってのに…」などと思ったのだけれど、
どうやら書いたのは『もしドラ』の著者、岩崎夏海さんご本人らしい。

『もしドラ』は、大学受験が終わって帰りの飛行機で読んだ思い出の本だ。

てなわけで、無性に内容が気になって即、買うことを決意。


『もしドラ』の方もつい先月、文庫版が発売されてたらしい。
どうやら完全に『もしイノ』発売の伏線だったようだ。


  
『イノベーションと企業家精神』は、「いかに競争を生き残っていくか?」の本らしい。
「いかに組織を成功させるか?」を説いた、『マネジメント』とも通じるところがある。

「これからの競争社会にどう立ち向かっていくか?」を考えるにあたって、
2015年も終わろうとしている現在でも、ドラッカーの議論は光を失っていない。

というわけで、『イノベーションと企業家精神』が、今後しばらく売れ続けるのだろう。
私は『マネジメント』を買ったまま未だに積んでるので、多分買わない。


 

さて、話を『もしイノ』に戻そう。

『もしイノ』の舞台は、『もしドラ』から数年後。

『もしイノ』で登場する野球部の顧問を務める新任教師、北条文乃は、
『もしドラ』で主人公・みなみちゃんの後輩マネージャー、北条文乃その人。

でもって、『もしイノ』の世界では、『もしドラ』がベストセラーとして人気になっている。
『もしイノ』の主人公・夢ちゃんが最初に手に取るのは『もしドラ』だ。ドラッカーじゃない。

……あれ?

という疑問も、『もしイノ』を手に取って読むには十分な理由のひとつだと思う。

私からは一言だけ。

「岩崎夏海っ!てめぇ、まゆゆに謝れっ!」


『もしイノ』は、マネージャーを主役とした野球モノの小説としても十分面白い。
マネージャーの側から野球部の3年間を描いた小説だ。面白くないワケがない。

野球部監督の10年間を描いた、同じく岩崎夏海さんの『エースの系譜』も好きだったりする。





ところで、この時期にブログで『もしイノ』に言及したのにはもう一つ訳がある。

私が毎年楽しみにしているイベントに、日本タイトルだけ大賞というものがある。
その年に出版された本を、内容一切度外視の「タイトルだけ」で評価する爆笑企画だ。

2010年(第2回)には、『もしドラ』も審査員賞を受賞している。

ちょうど今の時期に、2015年ノミネート募集が行われており、
僭越ながら『もしイノ』をノミネート推薦させて頂いた。

とはいえ、二番煎じ的なタイトル本が既に大量生産されてしまってるので、
タイトルだけの観点から「タイミングを完全に見誤った正統派続編」とコメントを添えてTweetした。


のだけれど、どうやらノミネート推薦のTweetが、
(タイトルだけ大賞をご存知でなかった)岩崎夏海さんの関係者に見つかったようで。
タイミングが間違ってるか正しいかは、ぜひ読んでからご確認ください!タイトルだけではなく内容もあります!
なんてコメントを(非公式RT)で頂いてしまった。
のみならず、関係者さんツイートが著者の岩崎夏海さんご本人にまでご丁寧にRTされる始末。

こうなってしまっては、ネットの海のどこかに、
「ちゃんと印税に貢献しました!」アピールをしておかなくてはと思い、この記事を書いた次第。


『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』には、
2015年の日本タイトルだけ大賞でも、ぜひぜひ健闘していただきたい所存である。


おまけ。
2012年の残念賞が、個人的に(タイトルだけ)大ヒットでした。


 

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